2004年世界遺産に登録された熊野古道の一部を成す尾鷲市はまさに秘境の宝庫!
そこに目をつけ『尾鷲商工会議所女性部』が企画制作した秘境ガイドブック『魅せます!尾鷲』が大反響!
さまざまな人の協力を得ながら、場所やコースを選定するために自らの足で歩き、自らの目で調べ、自らの手で編集し販売にこぎつけました!
尾鷲といえば魚のイメージあると思いますが、今回ご紹介するのは山!
秘境ガイドブック『魅せます!尾鷲』。
2004年、世界遺産に登録された「熊野古道」。
その一部を成す尾鷲は、まさに秘境の宝庫。
そんな秘境を新たな地域の魅力として地域内外に伝え、地域を盛り上げようと作られたのが、『魅せます!尾鷲』なのです!
『魅せます!尾鷲』を企画制作した『尾鷲商工会議所女性部』の部長、野田隆代さんに、尾鷲の秘境に焦点を当てた理由についてお聞きしました。
「とにかく『尾鷲に来てほしい』『遊びに来てほしい』という思い。
ちょうどその時にパワースポットのブームが来て、地元の識者に尋ねたところ、尾鷲にもすごいところがたくさんあると。
女性部のメンバーは実は山歩きが得意ではありませんが、本を作るとなったら体験するしかないでしょう。
1年半、ものすごい勢いで歩きました」
制作期間は足掛け3年。
そして実際にめぐった秘境は、なんと61ヶ所!!
尾鷲商工会議所女性部のみなさんが、みずから歩き、調べ、執筆編集をした『魅せます!尾鷲』。
今年3月、尾鷲市内の書店やコンビニで販売開始したところ、予想以上の反響で、関係者たちを驚かせました。
紀北町との境にあたる猪ノ鼻岬を起点に、行野浦漁港宮島公園まで、尾鷲の市街地をぐるりと囲む尾鷲トレイル。
37.1キロにわたるロングトレイル周辺に、秘境は点在します。
最初に訪ねる秘境は、尾鷲トレイル一押しの便石山『象の背』です。
「今日は便石の山です。
通常なら熊野古道の馬越峠から入って行きますが、今日は尾鷲弁でいう『ボケシ―コース』で」
と、尾鷲商工会議所女性部の石田淳美さん。
『ボケシー』とは、尾鷲の方言で、子どもたちが遊ぶ時に『ズルをした』という意味の言葉。
ズルをしたコースで目的地である『象の背』まで短い時間で行けるというもの。
体力に不安がある方などにもチャレンジしてもらおうと作った、最短かつ最楽コースの『ボケシーコース』。
時間をかけない分、のぼりが大変です!
みなさん、この本のために3回ほど歩いたそう!
同行の男性たちは、山歩きをこよなく愛するボランティアのみなさん。
秘境ポイントの選定やルートの整備を引き受けてくれている、頼もしい存在です。
尾鷲の豊かな自然を歩くこと1時間・・・便石山の頂上から少し下ったところに、目的地の秘境『象の背』がありました!
本当に象の背のような形をしているんです!
ご覧ください、この眺め!
尾鷲市街からお隣紀北町の海山まで一望できます。
まさに絶景です!!
「やっぱり感動です。
この岩の上に乗った時の感動をみなさんに伝えたいなと思って」
「この素晴らしい自然をみなさんにぜひ伝えたい、という気持ちでみんなで『魅せます!尾鷲』を作りました」
と女性部メンバーたち。
続いて目指すのは、猪ノ鼻水平道。
明治21年に整備された、紀北町相賀と尾鷲市をつなぐ古道で、『明治道』とも呼ばれています。
明治時代に大八車を通すために整備した関係で、石垣を積んで道幅が作られています。
このコースには、たくさんの丸太橋がかけられているのも特徴のひとつです。
「尾鷲市の建設業協会のボランティアでやってもらいました。
土地の所有者の人に頼んで木を切らせてもらい、皮を剥いてここまで運んでもらったと。
短い橋などは私たちが作っています。
みなさん安全に通れるよう、この道の安全確保のために年中いろいろ見たりしています」
とボランティア『外遊びプロジェクト』の植野洋さん。
こちらが目的地の『猪鼻ノ岬』。
尾鷲市と紀北町の境にある秘境ポイントです。
この『魅せます!尾鷲』の取り組みは、全国商工会議所女性会連合会で、優秀賞を受賞しました。
「ガイドブックの目的は『尾鷲のいいところを見せましょう』」『尾鷲の街に来てもらいましょう』ということなんですが、今回の活動が横に広がり、もっと違った掘り起し運動に発展していくことを期待しています」
と、尾鷲商工会議所会頭の伊藤整さん。
「尾鷲の町は『海業の町』『林業の町』として生き抜いてきたので、その二枚看板は大事にしたいと思います。
山歩きに来たつもりが、海の幸も食べられて・・・というようなことが売りになってほしいですね」
と、女性部部会長の野田さん。
驚きと達成感と満足感を!
尾鷲の新たな魅力を発掘し、発信を続ける尾鷲商工会議所女性部のみなさん。
これからも新たな道を切り開いていくに違いありません。